不動産収支管理

不動産収支の3つの視点

前回の投稿で、不動産投資は儲かるのか、という問いについて3つの視点が重要と書きました。(前回記事「不動産投資は儲かるのか」について考察

儲けをみるための3つの視点とは、

経営者観点 1. フロー 現金収入
2. ストック 純資産(資産―負債)
投資家観点 3. 投資対効果 投資効率

です。

ここでは、それぞれの指標をきちんと定義していきます。


1. フロー (現金収入)

キャッシュフロー、という言葉は定義が非常にあいまいです。
特に、ブログ等で記載されているキャッシュフローは、家賃収入(売上)なのか、手残現金(損益)なのかわかりません。「手残りである」と定義されていたとしても、その手残りの意味がわかりません。不動産管理会社からの振込金額なのであれば、ローン返済分が含まれませんし、それが考慮されていたとしても、年間支払(固定資産税や保険等の支払)が考慮されているのかどうかがわかりません。

いろんなサイトを見て、その運営者の収支を予想するのですが、言葉が曖昧でよくわからないことが多くあります。わざと曖昧にしているのかもしれませんが、きちんと定義したうえで「儲かっている」アピールをしてほしいものと思います。

本サイトでのキャッシュフローの定義は、満室時の月額で

家賃収入 - 固定資産税(月割) - ローン元利金 - 管理費・水道光熱費 

としています。
管理費・水道光熱費を入れているのは、満室時の限界利益をきちんと計算したいためです。満室時の賃料と、それにかかるコストとして金額のブレ幅も少ないものはすべて含めて、物件が稼ぐことができる利益を出しています。

この定義では、大きな金額である空室損・広告宣伝費・修繕費が含まれていません。これを、ある程度の精度で見積もることも可能なのですが、定義は簡単なほうがよいので、含めていません。


2. ストック(純資産)

純資産価値の算出は難しいです。

会計上の簿価であれば、資産(土地・建物)から借入金残を減じれば、かなり概算ですが算出可能です。もしくは、繰延利益(個人であれば元入金勘定)で算出できます。

ただ、会計上の簿価、特に資産は正しい市場の資産価値ではありません。物件購入金額から建物の減価償却分を引いたものになりますが、その数字は市場の資産価値とは全く別の税務上の数値です。

正しい純資産価値を出そうとすると、資産価値は現在の市場価値を反映しなければなりません。今、いくらなら売れるか。その数字が大切です。簡易計算としては、

売却価格(試算) - 借入金 - 売却手数料等(試算)

になります。借入金が全くない、もしくは物件購入額の一部を頭金として支払っている場合、ストック視点の儲けは大きくなりますが、その分、投資額が大きくなっており、投資利益として儲かっているかの判断が必要です。


3. 投資対効果

投資額に対して年間の手取額はいくらなのか、投資額を全額回収できる時期はいつなのか等、投資に対するリターンを評価し、他の投資方法と比較し、リスクに対するリターンの見合いが適切であるかを評価します。

投資額100万円に対して、1年間の手取額が10万円であれば投資利回10%、1万円であれば1%になります。投資利回が低かったり、マイナスの場合は、投資家視点では、その他の投資をしたほうがよかった、ということになります。

年間の手取りだけを評価するだけではなく、投資した金額がいつ全額回収できるのか、も大事です。先ほどの年間10万の手取りの例では、投資額100万円を回収するには10年かかります。10年を長いとみるか、短いとみるかは投資家次第です。ですが、元本保証の預金ではない以上、まずは投資額を全額回収する、を常に考えている必要があります。

ひと昔前にあったオーバーローンなどで融資を受けている場合は、非常に高い投資効率(投資額ゼロであれば算出不可)となります。ただし、その分借入金額が大きくなっていますので、ストックの収支管理が重要になってきます。

投資期間中にいくら回収できているかをきちんと把握することも大事です。

投資回収金額を銀行口座の現金で把握されている方もいると思います。1融資に対して1口座で資金管理していると、金額把握は容易です。

ただ、不動産投資が正常に回っていると、家賃収入で貯まった現金を有効活用したい、と思うようになります。複利効果を得るためにも非常に大事です。すると、不動産投資用口座のお金を別口座に移動させて運用させたくなります。

このとき、きちんと移動させた金額を把握して、投資回収金額を管理しておく必要があります。


3つの視点で整理しました。これら3つの視点でトータルで儲けを考えるべきです。詳細はまた今後整理していきます。

次回は、不動産投資家のタイプ別に重点的にみるべき視点をまとめます。



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